It's a beautiful day

取るに足らない、ささやかな出来事について

新宿の地下街を歩いてて思い出したんだけど

大昔、イタリアに友人と旅行に行った時の話。
ローマのホテルに到着して部屋に案内され、落ち着く間もなく友人が今夜のレストランを予約すると行って電話をかけはじめた。なら自分は荷物の整理でもしているかと旅行カバンを広げてジャケットを取り出したりしていると、友人がなんども電話をかけ直しては首を傾げている。受話器を置いてため息をつくとこう言った。
この電話おかしいよ、何度かけてもフロントにつながる。

そんなはずはなかろう、ということで友人から電話を受け取り、自分でかけてみることにした。
するとなんということか、確かにフロントにつながる。
ちゃんとレストランの電話番号を確認しながらかけたはずだ。おかしいおかしいなどといいつつ、もう一度受話器を耳に当ててよく聞くと電話の相手はこう怒鳴っていた。
プロント、プロント。

フロントではなかった。どうやらイタリアでは「もしもし」という代わりに「プロント」というのだろう。旅行の初日で我々の明らかなリサーチ不足が露呈してしまったのであった。その結果、意図せぬいたずら電話をかけてしまったのだ。
いまなら、街を歩けば「プロント」というイタリア風居酒屋が目につくわけで、おそらくこんな間違いはしないで済むはずだ。

五分後、もう一度同じレストランに電話をした。声色を変えることで素性を隠すことに成功、レストランの予約は完了した。